共時夢

── 離れた場所で、同じ夜に、似た夢を見ること

ある姉妹が、同じ夜に同じ森を歩く夢を見ていた──そんな報告は珍しくありません。家族や親しい友人、時には共同体のメンバーが似た象徴を同じ夜に分有する夢を、ここでは共時夢と呼びます。

定義

共時夢とは、複数人が同一/類似のテーマや象徴を、同じ夜(または近接した時期)に夢に見る現象です。内容の重なりに加え、起床時刻や想起のタイミングが一致するなど時間面の同期が見られる場合もあります。

タイプ(重なり方のバリエーション)

文化史の素描

先住民社会では、共有された夢が儀礼の起点季節の合図となる例が各地に見られます。夢は私的なものにとどまらず、集団の方向性を定める「合図」として尊重されてきました。日本でも、家族内での同夢談や、村落の行事と夢の一致が語り継がれています。

集合的無意識と「場」の視点

ユングは、個人を超えたイメージの層を集合的無意識と呼びました。共時夢は、この層が同時多発的に立ち上がる現象として説明できます。スピリチュアルな理解では、家族/仲間の間にある「場」(フィールド)の共鳴が鍵になります。悲嘆や喜び、転機の前後に共時夢が増えるという報告も多いのです。

観察と共有の方法

活用のヒント

小さな事例集(骨子)

家族の森
母と娘が同じ夜、同じ森で迷う夢を見る。翌朝、引っ越しの相談が始まる。
白い鳥
遠距離の友人どうしが同夜に白い鳥の夢。数日後、和解のメールを交わす。
橋を渡る
三人の同僚が「橋」を渡る夢を別々に。部門再編の通達が翌週に出る。
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