蓮の花
眠れる花のエッセイ
蓮の花の夢 ― 命の神秘
7月8日

夏の扉が静かに開かれると、
いつの間にか、蓮の花がそっと咲きはじめる。

蓮は決して急がない。

真夏の太陽がじっと見つめても、
蒸し暑い風が葉をやさしく撫でても、
泥の底から茎をゆっくり伸ばし、
静かに蕾を開いてゆく。

まるで深い瞑想に沈む修行僧のように、
清らかで、凛とした、
どこか神秘的な風情をまといながら。

蓮を見るたびに、
ある日の午後に見た、不思議な夢がふっと蘇る。

夢の中で私は神様とともに、
薄緑の花びらを一枚一枚丁寧に重ね、
命を吹き込むように花を作っていた。

その美しいひとときにうっとりと浸りながら目が覚め、
それから数日後に、私は新しい命を授かったことを知る。

最近になって気づいたのは、
その夢で作っていた花が「蓮」だったということ。

蓮はずっと、池に浮かぶ睡蓮のことだと思い込んでいたけれど、
実際に蓮を目にした瞬間、
長くすっと伸びた茎の先に咲くその姿が、
あの日、夢の中で神様と重ね合わせた花そのものだと分かった。

神秘的な蓮

蓮には昔からさまざまな神秘的な物語が伝えられている。
例えばインドでは、
蓮は仏陀の誕生を祝福する花として知られている。

仏陀が生まれて、最初の七歩を歩むたび、
足跡に蓮の花が次々と咲いたという。

純粋な魂が地上に降り立つとき、
世界は美しい蓮の花でその誕生を喜んだのだ。

蓮は泥の中から生まれるからこそ、美しく尊いとされる。

人生がどんなに困難であっても、
蓮はその花びらの奥に光を宿しながら、
気高く花開く力を秘めて。

蓮の花を思うとき、
あの遠い日の午後に見た美しい夢が、
静かに、そして鮮やかによみがえってくる。

薄緑の花びらを重ねて、
神様と過ごした夢の時間――。

それは今でも私の胸に宿る、
小さくて確かな命の幸福のかけら。

今年の夏は、蓮の花を飾り、
その花びらや色、香りをゆっくりと味わってみたい。

あなたの心にも、
蓮の優しいエネルギーが届きますように。

穏やかな癒しと美しい夢の余韻が、
そっと広がりますように。

薔薇 茉莉花

蓮の花の神秘的な意味